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ヨーロッパの製本の歴史

世界中で最も読まれているベストセラーは聖書です。

しかし、人々が気軽に聖書を読めるようになってからは、
それほど年月は経っていません。

今から五百年ほど前に印刷技術が発明される前までは、
ほとんどの人は文字を読むことができなかったのです。

ヨーロッパの古い教会や寺院を訪れると、
ステンドグラスや壁画の美しさに圧倒されてしまいます。
あれば装飾としての目的のほかに、
文字が読めない庶民に聖書の物語を教えるために描かれたものです。

当時聖書を読むことが許されたのは、
高位の聖職者や貴族などに限られていました。

書物の素材としては羊皮紙が使われていましたが、
皮は厚みがあるため、当時の本はとても大型のものでした。

その後、中国から紙の製造技法が伝わり、
それとほぼ同時期に活版印刷が発明されると、急速に紙が普及し、
本のサイズも急速に小さくなりました。

こうして、本の流通が格段に広がり、
一般の人々にも読めるようになったのです。