店主ブログ

酸性紙とは

1850年代からヨーロッパでは
酸性紙と呼ばれる洋紙が作られるようになりましたが、
この酸性紙の特徴はにじみ止めのために
硫酸アルミニウムなどが使われているという点です。

硫酸アルミニウムは紙の繊維を
少しずつ加水分解する性質を持っていますので、
酸性紙は時間が経つとともにもろくなってゆき、
早ければ20年程度で変色し、崩れるようになってしまいます。

酸性紙はこのように時間が経つと酸化して変色を起こし、
もろく崩れるという問題があることから長期保存には向きません。

そこで塩基性や中性のにじみ止めを使った作られた中性紙が
1970年代から使われるようになります。

こちらの紙であれば酸性紙の3〜4倍程度の長期保存が可能ですので、
本や重要な書類などを作成する際に用いられるようになっています。

ただ酸性紙は劣化するとは言っても、長い歴史のある紙ですし、
大量に作る事もできますので、
長期的に保存する事のないであろう新聞紙などでは
まだまだ酸性紙が使われています。

専門書・古書に特化した学術書買取専門店なら藍青堂書林へ
藍青堂書林