開きやすい本は背の形が違う?
見開きが良い本と見開きが悪い本がありますが、
その要因は背の形状にあります。
背の丸みはページをめくりやすくする機能があり、
左右対称の放物線を描いているのが理想です。
放物線の頂点が束の中心にあり、
綺麗な左右対称の曲線が出ている形状は
背と中身が密着して型崩れしにくい本となります。
中央の丸みが十分に出ていない形状の場合は、
型崩れを起こしやすい本となります。
このような形状はジョイントが束の中心部に
十分に当たっていないことが原因です。
円弧に近い丸みを出した場合は、
先頭折りと最終折りの変形度合いが大きくなります。
このような形状では強度不足に陥り、
表紙剥離などの壊れやすい本となります。
理想の丸みに関しては経験による部分が大きく、
判断基準も個人差があります。
「ジョイントの振り角度」「受けレール形状」「加圧量」
「絞り量」「振り量」などの、
製造条件によって丸みの形状が決定されます。
背部側面の「耳」と呼ばれる突起は
この工程によって出てくるのです。
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