私たちの理念
蔵書永代をめざして
書の世界には「蔵書一代」という言葉があります。絵画や陶器といった骨董美術の世界と違い、いくら貴重な本を集めてもその人が亡くなれば蔵書の大半は処分されてしまいます。読書というのは極めて「個人的な」行為です。好みが合えば子や孫も手元に置いておくこともあるでしょう。ですが、趣味嗜好に合わない本や、使わない本、読まない本はいつか捨てられてしまいます。
司馬遼太郎のように死後、蔵書が記念館に収納され、活用されることは異例のことです。貴重な資料となるような本であれば大学や図書館に寄贈する道もありますが、多くの蔵書家の本は捨てられ、古紙となってしまいます。仮に捨てるつもりはなくても経年劣化により紙は数十年でボロボロになり、読めなくなってしまいます。たいていの方の蔵書はあとには残りません。つまり蔵書はその人一代限りの財産なのです。
あなたが手にしている本を
探している方は、
必ずどこかにいらっしゃいます。
私たちは古書店員としてそのようなケースを数限りなく目にしてきました。故人が苦心して集めたであろう専門書や稀覯書が捨てられるのは見るに忍びないものです。ですが、捨てられる本の全てが無価値ではありません。古文書とまではいかなくてもまた市場価値の高い本や、世間では無価値でもその本を探している方は、どこかにいらっしゃることでしょう。それはもしかしたら、あなたが今手にしている本かも知れないのです。
子や孫でなくても本が新しい主人をもつことで、蔵書家の思いも受け継がれていくと私たちは考えています。永遠とまではいかなくても二代・三代と本の主人を継いでいくことが本にとっても、本を持っていた方にとっても幸せなことだと私たちは信じています。
私たちのミッション
時代の最先端を行く古書買取店であり続け、
三者とも幸せになる橋渡し役を担っていきます。
私たちは時代の最先端を行く古書買取店でありたいとも考えています。採算を度外視し、ノスタルジーのみの買取と販売を繰り返す古書店では、21世紀の世の中を生き残ることは困難です。古書業界の現状は芳しくありません。電子書籍化も進み、古書がなくなる一方で、出版不況による新刊発行部数も低下しています。新刊がなければ古書は生まれません。つまり古書という商品自体どんどん市場から減っているのです。
本を売って下さった方の思いを無駄にしないためには、専門書買取という事業の継続は不可欠です。古書買取という、古いものを扱うからこそ現代的な感覚を研ぎ澄ませ、今どんな本が、どんな買取サービスが求められているかを知り、実行していかねばなりません。古書専門書の古本買取販売という事業を通じ、貴重な古書文化の担い手として自覚を持ちながらも回顧趣味にとらわれず、お客様が何が求められているかを的確に把握し、ニーズにあった古書を提供し、社会へ貢献していくこともまた私たちの役割なのです。
藍青堂書林では、専門書買取の専門店として利益とお客様のニーズの両方を追求していきます。同時に、貴重な古書を次の方へとお届けし、貴重な本の寿命を延ばしていく「蔵書永代」を目指し、実践していきます。売った人と買ったそして私たち従業員の三者みんなが幸せになるような橋渡し役を担っていきます。
蔵書永代をめざして